ジャッカドフニという北方民族資料館が、網走にあった。
札幌に来た年の2010年11月で閉館されてしまい、結局行く事ができずじまいだった。
閉館と聞き、無駄とは思ったが直後の休みに網走へ向った。
少数民族とはいえアイヌではなく、南樺太のウイルタ人の資料館である。
なんでも樺太東海岸とこの網走の風景が似ていると言うことらしく、
ここに住み着いて私設の資料館を開いたようだ。
こじんまりしていて手作りな感じ。
ジャッカ・ドフニ全景
中央の板張りの建物が資料館、手前のテントは夏の家(冬の家だったかも)。
ウイルタは季節により場所を移って生活していたらしい。
まだ閉館1~2週間後だったため、きれいな状態だった。
白樺の木に囲まれて
創設者の北川ゲンダーヌ氏が亡くなり、妹さんの北川アイ子さんが長年守ってきたとのこと。アイ子さんは司馬遼太郎「街道を行く」のオホーツク紀行にも登場されるが、自然と一体化したような生活をされてきたとの記述がある。可愛らしい風情の白樺並木に彼女の人格の片鱗を見るような思いがした。
全く突然の閉館の報で残念だったが、建物を眺める事が出来ただけでも幸運。
展示物はアイ子さんの刺繍・裁縫物がメインだったらしいが、これが可愛いものだったらしい。
近くの博物館に引き取られるたのだろうか。一度見たいが神に祈るのみだ。
冬季休館中の看板
突然の閉館だったのかもしれない。
非公開でもいいので、そのまま残しておいてほしいものだ。瀟洒な木造の建物のつくりが大陸的な感じがする。
網走には他に、オホーツク文化のメッカ「モヨロ貝塚」もあるが未訪。今度行こうっと。