郵便局めぐり(風景印と旅行貯金と旧線路情報)

郵便局と駅・廃線跡めぐり旅の記録です

2019.03.01 奈良・天川村のあたり/栃尾観音堂

奈良の旅の話に戻らせていただきます。

和田郵便局でこの日は終了。来た道を天川村の中心部へ戻る。

この辺は吉野杉の美林がどこもかしこも。

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山の中の集落に、円空仏のある観音堂があったので寄ってみた。

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右のお社の中に奉納されているらしいが、薄暗くてよくわからなかった。

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4体が奉納されているらしいが、うち2体の複製品が飾られていた。

作成した円空は岐阜で生まれ若くして僧侶をしていたようだが、あることをきっかけに

全国を放浪してまわり、行く先々に円空仏とよばれる木彫りのご神体を残している。

北海道にまで来ており、道内にも洞爺湖の中の島など、道南を中心に32体ほどあるが、

地元の愛知・岐阜を中心にこの辺にはたくさん残されている。

 

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仏師としては運慶・快慶などが有名だが、あちらは弟子が手伝ったような作品が多いのだが、

円空は放浪生活の中で、自分ひとりでひたすら何かを打ち込むように作品を生み出し続けたようです。

その生き方によるのか、荒削りな作品に不思議な味があって一般人の中にファンが多いらしいです。

名古屋の辺りにはご神体がコレクションのように奉納されている寺が複数あって、

ご開帳の日はなかなかの賑わいみたいです。仏像界のアイドル、ですかね。

聖観音菩薩立像(レプリカ)。

 

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護法神像。

円空の自画像なんでしょうかね。護法神像の中でも最初の一体なんだそうです。

彼は30の時に全国へ旅に出るのですが、円空仏の大ファンの一人、

仏教学者の梅原猛さんによれば、死別た母親との別れの悲しみを乗り越えるのが

原動力というか、きっかけ、動機だったみたいです。

とにかく多作で、生涯2日で1体くらいのペースだったようです。

実は円空仏めぐりもしたい、ってここ10年来ずっと思ってるんですよね。

札幌駅前、今は無いアテネ書房で出会ったある本がきっかけです。

その時はすぐに東京に戻れると思ってたので、戻ったらやろうって思ってたんですが

時間ばかりすぎてしまうなあ。

 

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夕暮れの中、道を戻る。

数年前の十津川村を襲った水害の跡なのか、この辺も所々に災害復旧した形跡が残る。

北海道も数年前、十勝・日高の方で台風被害が大きかった。

最近の水害は山ごと崩れてしまうようなのが多いきがします。


この後は橿原・畝傍御陵にレンタカーを返却。

1月にも泊まった奈良駅前のビジネスホテルに投宿、ちょっと時間があったので

近鉄田原本線生駒線けいはんな線と回りました。