楽しかった旅の、最後。しばらく見れない本州の景色をまぶたに焼き付けるように。
北海道では感じることのない、やさしい海の光。
なんで自分だけこんな遠くて寒いところに、なんで帰れないんだろう、と
何度も思っていた。
本当に気持ちは伝えるべきでない、自分からこうしたいというべきでない、
人から言われるまで待つのが正しいと思っていたが、
自分から動く事いて、周りとぶつかるのが面倒だった。
いいふりこきってやつでしょうか。
岡山からも黄色い国鉄型の電車。今思えばそのときしかできないことでしたので
行ってよかった。ただ貯金使い果たしてしまって、後でかなり大変でしたけど。
姫路の駅弁、あなごめし。そういえば朝から何も食べてなかった。
明石海峡大橋。東京にいた頃、何度も見たり通ったり。
友達と、親や家族の車でも通ったし、自分のクルマでも免許取立てで通りに来た。
四国、瀬戸内、そして山陰は大好きで暇さえあればって感じでした。
瀬戸内の空なのか、海の成分なのか格段に白っぽくて、
夕方になるとそれが深紅にただれたように赤く染まっていき、
海も空も町並みも一色に。
これは尾道の大林宣彦監督が瀬戸内海の色だと言っていて、ああそうだなと思ったものです。
そして俺を北海道に連れ戻してくれる飛行機。
やわからい瀬戸内の夕方の光に包まれながら、高度を上げて行く。
神戸空港は瀬戸内側によってるんで、最後まで余韻に浸れる。
1時間もすると、空もいつもの北の大地の硬質で透明な色に変わっていた。
青森の上空から高度を下げはじめ、洞爺湖が見えてきた。
羊蹄山。関西方面から帰るときは、いつも雲の間から顔を覗かせてくれる。
西日本からの便だと、内浦湾沿いに高度を下げて行くので山が良く見えて楽しい。
関東からだと太平洋上から直接千歳へアプローチしていくので
関西便の方がお得な感じ。
千歳空港へ定刻に到着。
行きは台風に翻弄されましたが、帰りは特に問題なく。
ただこの数日後にまた台風が来て道東の方は大変でした。