数日前にも記したばかりだが、国道36号線(室蘭街道)の豊平にあった歩道橋のこと。
札幌にきたてだった10年前、国道36号線を札幌市内から郊外に向かって走っていくと、
豊平橋を過ぎて数キロ行ったところに一箇所だけ不自然に歩道橋があるのに気付いた。
今は前後にも横断歩道があるので、あえてここを通行する必要性は感じない。
でもいかにも不思議な感じがして、とても引っかかる存在だった。
ここは丁度定山渓鉄道の豊平駅があったところで、
後ろの2棟のマンションが駅舎のあったところ。
駅に接続して市内から路面電車が通っており、豊平駅前電停があり、
そこに接続するための歩道橋として建設されたものだった。
定山渓鉄道は36号を踏み切りで渡っていたがそのため邪魔者扱い。
ちょっと前の京急蒲田の環八の踏切みたいなものだったろう。
真ん中のところから電停に降りて行く階段があった。
切り貼りした後があって、これはもしや、と思い調べてみたら案の定だった。
1967年3月竣工。このとき2015年10月で経年48年と半年。
歩道橋は耐用年数が50年なのだそう。天下の36号線、開発局はそれを見逃さない。
色々言われますが、旧建設省~開発局の直轄区間はきちっとしてますね。素晴らしい。
この日は2015年10月2日。翌々日から撤去のため通行できなくなった。
都心方向。こっち側に市電豊平線が走っていた。
郊外・恵庭/千歳方面。
しかしこの視点で見る街って意外といいな、と今さら。
普通に横断するだけの階段と、駅前に下りていく階段。
東急池上線・五反田駅の東急ビルに接続している歩道橋を彷彿とします。
まあ定山渓鉄道は東急の傘下でしたからね。
しかしこの歩道橋は定山渓鉄道、路面電車の黄金時代を知っているのだな。
ただこれができて4年で両者は廃止、のこり44年はただのどこにでもある
通りを渡るだけの歩道橋になって今まで生き延びてきたのだ。
駅前のロータリーも歩道橋撤去に伴って今は普通の街路に改修されて
どこにでもある町並みになりつつあります。
こういうのを探るのが、街歩きの醍醐味ですね。