帰りにちょこっと寄った松前城。一度この季節に訪れてみたかった。
松前藩は、なんでこんなところに日本風の城を構えたんだろう。それにしてもいかにも日本風に作りこまれている。アイヌやロシアに対して存在感を示すためにしてはなんだか小ぶりに過ぎるし、単に故郷をなつかしんで作ったんだろうって気がします。
北海道で一番最初に咲く桜です。そんな土地に城を構えたって事なんでしょう。
4月後半の青い空を背景に咲く。はじめ北海道に来た頃は空の色はすっかり春の後半のそれなのに桜が咲いている、ってことがしっくりこなかったのですが、いつのまにか馴染んでました。
本州の人がもうすっかり忘れたであろう頃にひっそり咲く花が、なんともいじらしく。
この城は海の向こうの土地を見つめているような気がします。見捨てられた、そんな風な気持ちでここで暮らしてたのかもしれません。
ちなみに松前藩は甲斐源氏の庶流とのこと。家紋も甲斐武田家と同じものを使用。
桜を管理している家。松前家(蠣崎家)は箱館戦争の時に幕府軍に攻撃されて松前を去ってしまったが、その後もこの町の人は桜を大事に守ってくれている。松前線を建設する際にこの城の敷地を通過するも、結局トンネルで回避してここはそのままの姿で残したのだそうです。
そう思うと胸が熱いのですが、小さな町で小さな城と桜が咲くだけの場所。本州からはるばる時間かけていくほどではないです。松前線があったころはまだ、周遊券で訪れる人はいたみたいですが、今は道内からの人がいるくらいでしょう。
平日だから、歩いているのは函館あたりの学生さんくらい。
函館からでも100キロ以上ありますから、そこそこのドライブです。
この後は函館に戻ってもう一泊。でも正直これでもう十分な気分でした。
最近はちょっとでかけてもすぐ自宅に帰りたくなる。昔は外泊大好きだったのですが。