期待していなかったが、意外と回復が早くてよい天気に恵まれた。
えりもへの道は長く単調だが、この日は天気が良くて救われた。
国道235号・日高門別付近
空気が澄んでいて、遠くの日高山脈まで見渡せる。
千歳付近で雨が上がり、虹を見る。
前日は嵐で一晩中雷が鳴っていて、非常にいやな夜であったが、幸先がよい。
クルマはレンタカーで、燃費がとてもよく、遠乗りのせいもありリッター20キロ走った。
この辺は広々していてとても北海道らしい風景である。
空港を降り立った観光客が感動しそう。
こちらはただの通り道で、日高への長い道のりのはじまり。
日高路を進む。
北海道の海岸沿いは、自転車旅の人を多く見る。
風が強そうなので決して快適ではないはずだが、経験者によれば
景色の雄大さと、いろんな人と仲良くなれるので忘れられない旅になるのだそうだ。
人生と同じで、つらい時が一番、後からするとかけがえのない瞬間になるのだろう。
最近は何でもいかに楽ができるか、って考える事が多いが、却って皆、幸せを遠ざけてしまっているような、
そんな気がする。クルマというのも目的地へたどり着く、ということではとても効率が良いが、そこへ至る過程が楽すぎて結局あとで何も残らない。
歩いたり、自転車を漕いだりして自分の体を痛めながら前に進む、そうしたことが明日を生きる力を生み出す。
日高三石の先、蓬莱山という山というかちょこっとした丘の横を抜ける日高本線の列車。
列車で来るとどういう場所なのかわからなかったが、今回ようやくじっくりと眺める。
北海道文化財百選の碑と、小さな祠がある。よくわからないが漢文も添えてある。
三石の先からは国道をはずれ線路沿いののどかな道を進む。
日高本線は全国のJRで最後に乗った線で、その雄大な景色にいたく感動した。
その日と変わらない景色が今も広がっている。
働いて、合間に散歩したり旅をするぐらいの、全く他愛のない生活を続けているだけであるが、
それでも良い経験ができたなあとしみじみと思うのである。