仁宇布
この地名を知ってるのは鉄道に少なからず興味のある人、しかも年配の方が多いと思う。美深町の山の中にある小さな集落。昔は美深から美幸線というローカル線が出ていて昭和50~60年頃は「日本一のローカル線」として有名でした。
また村上春樹の「羊をめぐる冒険」の舞台らしいとも言われてます。
【上川】No.1 仁宇布簡易郵便局(にうぷ)
局番:98730 1995(平成7)年3月31日開設
仁宇布は美幸線の終点でしたが、元々オホーツクの枝幸に至る路線の途中駅。小さな集落だと思ってましたが、この辺の森林開発の拠点だったみたいです。それなりに人が居る雰囲気があります。
元々仁宇布は普通局があり、91年か92年頃に一度来てます(残念ながらその時の通帳はもうない)。その普通局は1938年(昭和13年)の開局。確かモルタルの局舎だったと思いますがあまり覚えてません。
△仁宇布駅跡
今でも駅の跡は残り、「トロッコ王国」として営業中(夏のみ)。美幸線の跡をトロッコで走れるのですが、これが案外面白いらしいです。
ともかく美幸線、仁宇布は自分としては本や物語の中の世界。それが今でも形として現存しており、本で見たままの景色が今も広がってることは驚きです。
△駅から先、北見枝幸側は工事が大半完了していて、開通させる前段階でしたが国鉄が赤字を恐れて開業させなかったと言われてます。今でも立派な路盤が山の中に向かって伸びてます。勿体ないけどどうしようもないですね。
美幸線はこんな感じでものすごい赤字路線でしたが、当時の美深町長が東京の銀座まで来てきっぷを売ったりして当時は話題でした。最後廃止の時は入院していて立ち会わなかったというのが何とも言えません。
北海道は調べものしていると誰かの夢に出逢うことが多いです。この仁宇布の集落だって町長さんの思いが込もっててここまで色々残ってるんだと思います。誰かの思いを受けて、それがいま生きてる人の気持ちに繋がってる。なんか良いんですよね、こういうのが。