今の会社にお世話になり始めたころは、西へ向かう夜行列車で出かけていた。
職場は東京の大森にあり、入社した1998年頃はまだJRに引き継がれた頃と同様、
九州、四国、山陰へのブルートレインが多数走っていた。
当時は北斗星やトワイライトの北海道行の人気が高く、西へ行く列車は忘れられた存在だった。
JRは新幹線に乗ってほしいらしくて、まったく宣伝していなかった。
その後夜行は毎年のように本数を減らしていった。
毎日帰宅する頃に目の前を通過するので、乗りたくなってしまってね。
特にサンライズじゃないほうのブルトレの「出雲」は21:15分頃に大森を通過。
食堂車(の名残りの車両)も付いていて全盛期と変わらぬ姿だった。
寝台では一番安い「シングル」。
なのでシングルに乗ることはなかったが、全然悪くないです。
モーターの上だからって理由でちょっと安めだったはず。
この数ヶ月前に「はまなす」の寝台車にお別れ乗車したのですが、
思ったより全然楽しかった。深夜に静かに規則的に音を立てて走る列車の雰囲気がたまらなかった。
それからまた寝台車のりたいなあ、とね。
寝るのもったいなくて、結局相当おきてた。寝たの大阪過ぎたあたりだった。
(はまなすも札幌から函館までずっと起きてた。)
本州の景色、とくに東海道線はいいなあ。日本を真ん中をつらぬく大動脈で
迫力というか息遣いというか、なんか漲ってる感じがするんですよね。
古くから重要幹線として手が入ってきたから、長い年月かけて改良されてきた痕跡があって
それがまた他の幹線と違う独特の雰囲気を醸し出している。
目が醒めると、石見の国。
西日本特有の、白みを帯びた太陽の光を感じた。
出雲市まで乗りとおしたのは初めて。
朝の光を感じながら、田園の景色を眺めていると旅はもう終わり。
こういう旅、本当にいいですよね。
JRはしがらみがあって今後も長距離夜行の拡大はないと思いますが、
意欲的な運行専門会社つくったりして、面白いことしてくれないですかね。