いつもの千歳線。空港へ行くときにもう飽きるほど乗っているのだが、ベッドに横たわってみると、全然違って新鮮。
むしろ慣れた景色の方が味わいが一段と深い気がする。
登別では子どもが迎えてくれた。
はじめて乗ったブルートレインは、小4の時に乗った東京から西鹿児島行きの「はやぶさ」だった。
そのときも、こんな風な子どもの姿があった。
苫小牧。
横たわって目を瞑り、列車の響きを聞いていると過去の記憶がたくさん蘇ってくる。
九州で、一晩列車に乗り続ける自分に、走って弁当を届けてくれた駅弁屋さんのおばさんの表情とか、
弟と一晩中カーテンを被って初めて見る景色を、興奮しながら眺めていたこと。
上野で、青森へ帰る青年のそばにいつまでもいた女性のこと。
米子から乗った出雲の中で、買った駅弁を食べたこと。
はまなすは急行だけあって、少し細かく駅に止まる。東京から大阪への銀河に似ている。
あの一度だけの、A寝台の夜を思い出す。
うーん、もう一回だけ、何とかして乗りたい。まあ無理だろう。だけど。