1年前、雪道で転倒して骨折した。
生まれて始めての入院と、リハビリ生活を体験。
雪のある、こんな寒い場所で生きるのは自分には無理だった、
自分の程度というものを痛いほど思い知った。
身体が不十分だとこんなにも心細いものかと、
親や兄弟の顔がこれほど見たいと思ったこともなかった。
骨が物理的にくっついていくと、心は身体に実に直結しているらしく
心細さは遠ざかっていった。
だがまた同じような事があったら、と思うといたたまれない。
あれ以来ずっとその気持ちは絶えないでいる。
今月、金属を抜く手術をし、その後のリハビリで治療は一区切り。
1年以上も病院通いの日々が続いた。
病院では仕事ばかりしていると普段会わないような、いろんな状態の人を見かける。
いつまでも人は若くないのだ、自分の気持ちだけで生きていてはいけないと
気付かされることがしきりだった。
そして転倒したときに、手を差し伸べてくれた通りがかりの方に
まだお礼をいえないでいる。
寒い雪が降りしきる中、救急車がくるまで数十分付き添っていただき
本当に感謝しているが、連絡先もわからずそのままになってしまった。
ケガが治ったら、と思いながらの1年だった。
地元に帰って、家族の近くにいたいとか、
育った街に暮らすことで少しでも力になりたいとか、
学生の頃過ごしたあの街角にもう一度立って景色を眺めたいとか。
札幌は本当にいい所で、あこがれの街なんだけど。
こういうことがあると、数十年先までどうやって何をしていきたいのか、とか
考えるきっかけになった気がする。
ケガってほんと身動き取れないんだよな・・。